日々の記録[言葉を綴る]

気持ちを言葉にして形にする

無題

 

連続した刹那が繰り返されて

頭の中の頭脳が考えた

「ああそうだ全部矛盾している」

 

白いタイルを指先がなぞって

その冷たさに顔を顰めた

まるで私のものではないみたい

なんてぼんやり思った

 

何も聞きたくなくて

私から閉じこもったその箱は

どくんどくんと脈打つくせに

驚くほど無機質なもので

嘘よ嘘よって涙を流したの

 

音のないこの世界は

私の吐息すら聞こえなくて

きっと死後の国ってこんなところね

鳴らない音で紡いだの

 

後悔なんてあとの祭りよ

内側には取手なんてないの

1人になりたい私にはぴったりでしょ

だから、どうか

誰もこの箱を開けないで

 

 

 

無意識

 

ずれたものをあわせるのはたいへんで

ぐらぐらしてるの

こまっているの

なにをしてもなおらないなら

もうここでおしまいにして

 

太陽がのぼって

また1日が始まる

あちこちずれた身体を起こして

誰にもばれないように

つぎはぎぺいんと

ほらどこもずれてないでしょ

 

歩き出すたびに鳴る

ぎしぎしという音が

私の命の終わりを表しているようで

思わず耳を塞いだの

 

 

 

もうなにもしんぱいしないで

このしんぞうはあるくことしかできないから

あゆみをとめることはあなたでもふかのうよ

だからなにもきにしないで

さきにいきなさい

わたしのあゆみはおそいから

あなたからはみえないかもしれない

でもだいじょうぶ

きっとおいつくわ

そのときまでわらって

さようなら

 

 

 

無題

 

まだ名前のないこの気持ち

名前も知らない君と

肩と肩が触れ合って

君の体温を感じた時に

じわりと融けた塊

 

無意識に君を目で追いかけるけど

目が合うことはなくて

私のことなんて全然興味ないって

分かってたことだけど

やっぱりずきりと痛いんだ

 

ねぇ、ほら、これで何度目かな

また君を見てしまうの

だってだって

このモノクロの世界で

君だけが色づいているの

君の髪の色も瞳の色も

私を捉えて離さないから

今日も今日とて君を追いかけて

自分に矢を放つの

 

そうすれば、ほら

この世界で色があるのは

君と真っ赤な私だけ

とっても素敵なことでしょ

2人だけの特別、だよ

 

 

無題

咲いた咲いた

空から地まで

裂いた裂いた

頭から足まで

 

はやく媚びてよ

ほら撫でてあげる

甘く舐めた爪先

優しく噛んでそのままで

 

きみのその長い髪を

切り裂きたくて

柔らかさは捨てて

温もりなんていらないから

 

もうこれで終わりだよ

きみもぼくもなにもかも

君の汚く染まった髪が

詰まった排水溝にね

すべてを任せて眠ろうよ

 

「おやすみなさい」

 

 

無題

 

閉じ込めた時にわかったよ

有り体に言えば後悔で

痺れたように震えていた

君に触れようとする指先が

なにより僕を表していた

 

この心は土砂降りで

傘を差さないと歩けなかった

この雨は止まないと思っていたんだ

君という太陽が隠れてしまってて

晴れることなどないのだと

 

閉じ込めた時に気づいていたのに

僕は必死に瞳を閉じて

全てを見なかったことにして

雨宿りをすることにしたんだ

屋根のある場所なんて

もうどこにもないのにさ

 

もう一度見たいよ

君の輝く笑顔を

太陽のように全てを照らして

心から笑いたい

 

無題

 

さぁちょうだいな

恋に落ちた私に効くの

甘いキャンディのような

ビターチョコのような

君こそ私の特効薬

 

適量ってなあに?

多すぎると毒になるって?

笑ってしまうわね

私はとっくに侵されてる

もっと狂わせてほしいの

君に

 

優しさなんていらないわ

安穏なんていらないわ

欲しいのは刺激だけ

愛しい君と踊りたいの

ほら嗤って

 

君に溺れさせて

もう浮き上がることなんて

ないくらいに